宝石のカットの種類
宝石のカットには色々な種類があります。
原石の形は様々で、できるだけ大きさを維持し効率よくカットするかを考えて
カットの種類が選択されます。
デザイン性によって、原石の形に関わらず種類を選ぶこともあります。
ファセットカット(facet cut)
ファセットは英語でfacet=切子面・小平面を意味しており、宝石の表面に角度をつけて多くの面をつくることで光が屈折し、宝石内部から輝きを得ようとするものです。主にブリリアントカット、ステップカット、ラウンドカットに分けられます。
◆ブリリアントカット
1919年に宝石職人マルセル・トルコフスキー(Marcel Tolkowsky)が開発したカッティング方法で、反射・屈折率など数学的考慮から生み出された宝石の透明度と輝きを最大限に生かすよう計算されたカットで、ダイヤモンドが最も美しく輝くカットです。
ラウンド ブリリアントカット(round brilliant cut)
上面が円形の20世紀を代表するカットで、ダイヤモンドの基準である「4C」の1つにもなっています。通常58面で、 58面、82面、144面、と面の数が増えるほど輝きが増して見えます。
オーバル ブリリアントカット(oval brilliant cut)
上面が楕円形のカットです。 ラウンドカットより失う原石部分が少なくてすみます。
マーキーズ ブリリアントカット(marquise brilliant cut)
ラグビーボールのように両端がとがった形です。宝石を実際のカラットよりも大きく見せることが出来ます。先端が割れやすいので身に着ける時は注意が必要です。
ハート ブリリアントカット(heart brilliant cut)
ハート型で通常65面からなり、婚約や結婚など愛情をのシチュエーションで好まれます。
ペア シェイプ ブリリアントカット(pear shaped brilliant cut)
洋ナシ型で、別名「ドロップ(雫)カット」とも呼ばれるブリリアントカットの変種の1つです。リングに用いると、形の効果で指が長く綺麗に見えます。
オールドマイン ブリリアントカット(old mine brilliant cut)
上面が正方形のカット方法です。17世紀頃から存在するカット方法でペルッシーカットとも呼ばれます。
◆ステップ カット(step cut)
宝石の外周が四角形に型どられており、ファセットが側面のガードルに平行に削られているものを指します。横から見ると下部がステップ(階段)状になっているため、この名前がつきました。トラップカットとも呼ばれます。アールデコ時代には大変な人気を誇っていたカッティングです。
エメラルドカット(emerald cut)
四隅を切り落とした八角形になった長方形のカットです。
特にエメラルドに屈折率的に合っている為よく用いられる為この名前になりました。テーブル面が広いことから、宝石のクラリティ(透明度)を引き立たせるカッティング方法ともいえます。
バケットカット(baguette cut)
バケット(フランス語で棒状の固焼きフランスパンの意味)の、四隅がカットされていないカットです。色が強く見えることと、見た目が大きく見えることが特徴です。
ミックス カット(mix cut)
ブリリアントカットとステップカットの両方の特性を備えたカット。通常上部のクラウン部にブリリアントカットが施され、下部のパビリオン部にはステップカットが施されます。
プリンセスカット(princess cut)
ミックスカットの代表として人気。プリンセスカットの人気の秘密は、他のミックスカットと比較して宝石の輝きを引き立たせるという点と、カットによって失われる原石を最小限にとどめることが出来るという点にあります。
ローズ カット(rose cut)
一般的に24の三角形の面と平らな底面を持ち、 バラのつぼみに似ていることからこの名前がつけられました。輝きが強いのが特徴です。
カボション カット(cabochon cut)
正面に面を持たず、なめらかに研磨したカボションカットは不透明な宝石に施され、通常は頂上が凸面で底部が平らです。 表面の引っかき傷などを目立たなくするという特性を持っているのでモース硬度7以下の宝石に対して多く用いられます。